皆さんこんにちは、筆者のマッピーです。
今回は自営業、フリーランス、学生、無職の方に向けて、お得な公的年金制度についてお伝えしたいと思い記事にしました。
会社員は社会保険や労災保険等、様々な保険に加入しており手厚い保障がありますが、フリーランスは大きな保障もなく、ご自身で国民年金や国民健康保険に加入し保険料を納めなければなりません。
例えば会社員の場合、第2号被保険者に分類され国民年金だけでなく厚生年金にも加入しています。
また、健康保険料は会社と折半であり、万が一病気やケガで働けなくなっても、傷病手当金制度等があります。
さらに、労災保険や雇用保険もあり、仕事中にケガをしてもお金を受取れたり、失業しても失業給付金がもらえるなど保障が充実しています。
ところがフリーランスになると、これらの保障は一切なく、国民年金と国民健康保険を全額ご自身で納める必要があります。
フリーランスでも国民健康保険には加入しているため、ケガや病気については多少は安心ですが、国民年金だけだと将来もらえる年金が不安ですよね。
例えば、国民年金を20歳~60歳までの40年間満額支払っても受け取れる金額はわずか年間78万900円(2021年度)。
ひと月当たり6万5,075円となり、これではとても暮らせないですよね。
だからこそ将来に向けて、当ブログで紹介してきたiDeCoやつみたてNISAなどの、税制優遇制度を使って資産形成をしていくのはとても重要です。
ただ、それ以外にも「自営業やフリーランスだからこそ入れるお得な制度があればな」と思ったことありませんか?
実はあるのです。
それが付加年金という国が用意している制度で、国民年金の保険料に付加保険料を上乗せして納めることで、受給する年金額を増やすことができます。
この付加年金は老後のための資産形成として考えた場合、とても優秀な制度であるため、その魅力を是非皆さんにお伝えしたく記事にしました。
フリーランスの方やこれからフリーランスになろうとしている方は知っていて損はないので、是非最後までお付き合い下さい。
目次
付加年金とは?2年で支払った保険料の元が取れ、それ以降は毎年プラスになる!
付加年金とは、毎月支払う国民年金保険料に400円を上乗せすると、将来的に受け取れる老齢基礎年金の受給額が永久的に増額されるという制度です。
加入できる期間は、20歳〜60歳まで(最大40年間)となっています。
また、付加年金の受給開始は老齢基礎年金と同じ65歳からです。
では、具体的にいくら増額されるのかというと、「200円×付加保険料納付月数」で計算され、2年で元が取れてしまいます。
でもこれだけだとわかりづらいですよね?
例えば、400円の付加保険料を10年間(120ヶ月)支払った場合、支払った金額は400円×120ヶ月=48,000円ですが、200円×120ヶ月=24,000円が将来の年金に毎年加算されるのです。
ということは、2年間で支払った金額の元が取れ、それ以降の受け取り分はそのままプラスになります。
もう少し例をいくつか見てみましょう。
【20年間付加保険料を支払った場合】
・支払額:400円×240ヶ月=96,000円
・受取額:200円×240ヶ月=48,000円(←将来の年金に毎年加算)
【40年間付加保険料を支払った場合】
・支払額:400円×480ヶ月=192,000円
・受取額:200円×240ヶ月=96,000円(←将来の年金に毎年加算)
つまり、65歳で年金受給を開始したら67歳で元が取れてしまい、それ以降は丸々プラスになります。
仮に40年間付加保険料を支払って、65歳から年金を受け取り、80歳まで生きたとしたら67歳で元は取れてしまい、さらに67~80歳までの14年間分(134万4,000円)は丸々プラスになります。
支払った保険料がわずか19万2,000円なのに、将来的には100万円を大きく超えるお金が戻ってくるなんて、こんなにお得な制度は他にないでしょう。
もし、万が一納付期限を過ぎてしまった場合でも、期限日から起算して2年間までなら遡って納付することも可能なので納付期限を過ぎても安心ですね。
支払った付加保険料は、社会保険料控除として全額所得控除の対象となる!
2年で元が取れ、さらにそれ以降はプラスになるとてもお得な付加年金ですが、さらに嬉しいポイントがあります。
それは、国民年金や国民健康保険と同じく、社会保険料控除として所得から全額控除できるということ。
所得から控除できるということは、支払う税金も減ることになります。
つまり、毎年節税しながら将来の年金を増やすことができるのです。
節税しながら老後の年金に備えられる点については、iDeCoに似ていますね。(iDeCoは投資信託等を運用するのでちょっと違いますが)
老齢基礎年金と合わせて付加年金は繰り下げ受給もでき、5年繰り下げすると42%も増額される
老齢基礎年金を繰り下げすると、付加年金についても繰り下げ受給できます。(付加年金だけを繰り下げることはできません)
年間で8.4%増額されるため、1年繰り下げをすると年間8.4%、3年で25.2%、5年で42%が増額されます。(1ヶ月当たり0.7%)
例えば、老齢基礎年金を1年繰り下げ66歳から受給した場合、付加年金は2,400円×108.4%=2,601円に、5年繰り下げをして70歳からだと2,400円×142%=3,408円まで増えます。
受給スタートが遅れてもいいけど、とにかく受給額を増やしたい方にオススメです。
付加年金に加入できるのはどんな人?その条件は?
そんなお得な付加年金ですが、残念ながら誰でも加入できるわけではありません。
最初の方で少し触れていますが、加入できるのは主に下記の通りです。
- 第1号被保険者(自営業・フリーランス・無職・学生)
- 任意加入被保険者(60歳までに老齢基礎年金の受給資格期間を満たしてなく、60歳以降も国民年金に任意に加入した者)
会社員の方や、そこから扶養されている主婦や主夫(第3号被保険者)の方は残念ながら加入できません。
この点については、フリーランスの方がお得と言えるでしょう。
付加年金の手続きや保険料の納付方法は?
付加年金の申込み手続きについては、各市区役所や町村役場の窓口で可能です。
提出用紙に必要事項を記入し、提出すればOK。
保険料の支払い方法は、納付書払い、クレジットカード払い、口座振替から選ぶことができます。
まとめて支払いをする前納制度を使うと割引もあるので、詳しくは日本年金機構のホームページを確認してみて下さい。
国民年金保険料の「2年前納」制度|日本年金機構(日本年金機構HPより)
付加年金に加入するデメリットは、65歳前に亡くなると保険料が返ってこないこと、インフレにより受け取り時の価値が減少するリスクがあること、国民年金基金と併用は不可
そんなお得な付加年金ですが、逆にデメリットはないのか気になりますよね。
まず、65歳前に亡くなってしまった場合は、残念ながら納めた保険料は一切戻ってきません。
また、付加年金は定額のため、インフレにより受け取る時の価値が減少してしまう可能性があります。
2年で元が取れるといっても、保険料を支払った時の金額と将来受け取る金額で、同じ価値とは限りませんからね。
さらに、国民年金基金(第一号被保険者のための老齢年金を上乗せする年金制度で、会社員の厚生年金に相当するもの)と併用はできません。
付加年金か国民年金基金、どちらかを選ぶことになります。
付加年金は、保険料の負担は小さく、将来的に受け取れる年金が永久的に増えるのでオススメ!
ここまでで付加年金のメリット、デメリットについてお伝えしてきました。
万が一、65歳までに亡くなると保険料が戻ってこなかったりインフレリスクはあるものの、保険料は毎月400円と小さく、さらに社会保険料控除で節税しながら老後の年金を増やせるなど、それ以上にメリットが大きいです。
特に2年程で元が取れ、それ以降は全てプラスになる金融商品は他ではまずありません。
日本人の平均寿命は年々延びており、人生100年時代とも言われています。
2020年の日本人の平均寿命は、男性81.64歳、女性87.74歳となっており、いずれも過去最高を更新したということが厚生労働省の調査でわかっています。
つまり65歳までに亡くなるより、長生きする可能性の方が高いと言えるでしょう。
長生きすればする程、付加年金はプラスになるのですから、ますますお得に感じますね。
以上、今回は付加年金についてお伝えしました。
残念ながら会社員の方は加入できませんが、フリーランスの方には是非検討して欲しいと思います。
筆者のマッピーも現在は会社員なので加入できませんが、勉強してこういうお得な制度があることがわかったので、もし将来的に会社を辞めてフリーランスになった場合はすぐに加入しようと思っています。
それでは。
・会社員は、社会保険が充実しているが、フリーランスは国民年金や国民保険を自身で納付する必要がある
・国民年金を40年間納めても、ひと月当たりに受け取れる金額はわずか6万5,075円(2021年度)
・国民年金の保険料に、付加保険料を上乗せして支払う付加年金なら、将来受け取れる年金の受給額を増やすことができる
・毎月400円の付加保険料を支払うと、200円×付加保険料納付月数が将来もらえる老齢基礎年金に増額される
・支払った保険料は2年で元が取れ、それ以降はプラスとなる
・支払った付加保険料は、社会保険料控除として全額所得控除の対象
・老齢基礎年金と合わせて繰り下げ受給もでき、5年繰り下げで42%も増額される
・付加年金に加入できるのはフリーランスや学生などの第1号被保険者のみ
・各市区役所や町村役場の窓口で手続きでき、納付書払い、クレジットカード払い、口座振替から選べる
・65歳より前に亡くなると保険料が返ってこない、インフレにより受け取り時の価値が減少する可能性あること、国民年金基金と併用は不可