社会保険

失業保険と再就職手当はどちらが得か?それぞれのメリットデメリットを解説

こんにちは、マッピーです。

今回は、失業保険や早期に再就職した場合にもらえる再就職手当についてのお話です。

「失業保険をもらいたいけど、デメリットはないのか」
「結局のところ、失業保険と再就職手当、どちらが得なの?」

このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?

そこで本記事では、失業保険と再就職手当の概要、それぞれのメリットとデメリットなどについて詳しく解説していきます。

会社を退職し、失業保険をもらおうと思っている方、再就職手当を狙っている方にとって役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

失業保険と再就職手当とは?

「失業保険や再就職手当って何?」という方のために、まずは、失業保険と再就職手当の概要からそれぞれ解説します。

失業保険(失業手当)の概要

失業保険とは、雇用保険の加入者が会社を退職した際に、『失業の状態である』などの一定の条件を満たした場合に受給できる公的保険制度です。

ハローワーク(公共職業安定所)に求職の申込みが必要で、離職日の直前6ヶ月間の賃金・雇用保険の加入期間・年齢・退職理由などにより受給できる金額や期間等は異なります。(受給期間90〜360日、金額は1日当たり2,125〜8,355円と幅があり ※2022年8月1日現在)

失業中も生活の心配をせず、1日でも早く仕事に就いてもらうための公的な支援金のようなものです。

ちなみに一般的に「失業保険」「失業給付金」等と呼ばれていますが、正式名称は『雇用保険』と言います。

受給日数90〜120日で、基本手当日額5,000〜6,000円くらいの方が多いのではないでしょうか。

再就職手当の概要

再就職手当とは、失業保険の受給資格を満たした方が、早期に再就職や自営を開始した場合に支給されます。

就職お祝い金のようなものですね。

受給するための条件は、下記の通りです。

1.受給手続き後、7日間の待機期間満了後の再就職(または自営)であること

2.失業保険の給付日数の残が3分の1以上残っていること

3.再就職先が前職と関わりがないこと

4.自己都合退職の場合、待機期間終了後の1ヶ月間は、ハローワークまたは職業紹介事業者からの紹介での再就職に限ること

5.1年を超えて勤務することが見込まれること

6.再就職先で雇用保険に加入すること

7.過去3年以内に再就職手当、または常用就職支度手当を受給していないこと

8.受給資格決定前に採用が内定していないこと

9.再就職手当の支給決定日までに離職していないこと

条件は細かいですが、要はハローワークに求職の申込みをして、待機期間終了後に安定した仕事に就けば良いということです。

ちなみに、もらえる金額の計算式は下記の通りです。

【受給期間の残りと支給額】
・残り3分の2以上 ⇨ 支給残額の70%
・残り3分の1以上 ⇨ 支給残額の60%

例えば、基本手当日額が6,000円で給付日数90日間ある方が、80日間残して再就職をした場合、10日間の基本手当とは別に、80日間×70%×6,000円=33万6,000円を一括してもらうことができます。

お祝い金と聞くと大してもらえないのではないかと感じますが、これだけの金額なら、ちょっとしたボーナスのようで嬉しいですよね。

離職前に開業届提出済みでも、条件を満たせば失業保険も再就職手当も受給可能

副業をしていて、既に開業届を提出済みの方が会社を退職したとしても、失業の状態であれば失業保険も再就職手当も受給資格はあります。

よく「離職前に開業届を出している場合は自営をしていることになるので、失業保険はもらえない」といった間違った記事が多く見られますが、そんなことはありません。

自営をしていたとしても、失業中であれば失業保険の受給資格はあります。(廃業届の提出も不要)

「自営に専念していない」「労働時間は週20時間未満である」ことがポイントになります。

つまり、既に開業届を出していたとしても、その自営に専念していなかったり、労働時間は週20時間未満であれば受給資格はあるということです。

例えば、開業届提出済みの方が会社を自己都合で辞めた場合、待機期間7日間+1ヶ月間(上記の再就職手当の概要4を参照)を過ぎた後に自営に専念することにした場合、再就職手当がもらえます。

再就職手当を受給するには開業届以外にも、収支計画などを記載した事業計画書の提出も必要です。

また、自営に専念しておらず(週20時間未満の労働)、再就職先を探している場合は失業保険ももちろん受給可能です。

こんな内容を書いた記事は他に見たことありませんが、先日、最寄りのハローワークで確認しているので間違いありません。(もしかしたらハローワークによって対応が異なる可能性はあります)

「既に開業届を提出している場合は失業保険はもらえない」といった、間違った記事内容を信じないようにしましょう。

さらに2022年7月1日より、『雇用保険受給期間の特例」という最大3年間受給期間を延長できる制度もできました。

失業保険の受給できる期間は基本1年間ですが、それに+3年間受給期間を延長できるようになったので、万が一1年を過ぎて廃業したとしても、条件を満たせば最大4年間は失業保険を受給できるというものです。

離職後に事業を開始した方が対象なので、こちらを申請するのもありです。

失業保険の満額と、早期に再就職手当をもらった場合の違い

それでは、失業保険と再就職手当、どちらをもらった方が得なのか、シミュレーションしてみたいと思います。

ここでのシミュレーションは、基本手当日額6,000円、給付日数90日を例として挙げています。

それぞれどのくらい金額に差があるか?

まずは単純に、受給できる合計金額についてどのくらい差があるのか計算してみました。

その差は下記の通りです。

  • 失業保険を満額受給した場合 ⇨ 基本手当日額6,000円×90日=540,000円
  • 再就職手当を受給した場合 ⇨ 基本手当日額6,000円×90日×70%=378,000円

    差額162,000円

金額だけで見ると約16万円の差があることがわかります。

では、ダラダラと就職活動をして失業保険を満額もらう方が得かというと、人それぞれ目的や事情なども異なるためそうとは言い切れません。

これから、失業保険を満額もらった場合と、早期に再就職した場合のメリットデメリットについても解説します。

失業保険を満額もらう方が良い人は?

下記のような方は、失業保険を満額もらう方がメリットがあると言えます。

①1円でも多くの金額を受給したい

とにかく1円でも多くの金額を受給したいのなら、ゆっくり就職活動をしながら失業保険を満額もらった方がよいでしょう。

再就職手当だと70%または60%になってしまうため、「損では?」と考える方も少なくありません。

仮に上記の例だと、約16万円も金額に差が出てきます。

基本手当日額を給付日数分もらえると、何故か得した気分になる気持ちもわかりますね。

②離職後に少しプライベートの時間が欲しい

会社を退職して少しゆっくりしたい方や、失業中に旅行などに行ったりプライベートな時間が欲しい方も、失業保険を満額受給した方が得だと思われます。

認定日にハローワークに来所し、それまでに2回程の求職活動実績があれば失業保険は受給できるため、それ以外は家でゆっくりしたり、旅行に行ったりプライベートな時間を満喫できます。

この時間を使って、溜まっていたドラマを見たり、就業中に行けなかった長期の海外旅行に行く、なんてことも可能です。

受給できる期間は数ヶ月程度ではありますが、仕事をしていなくてもお金がもらえるため、ちょっとしたプチFIRE気分を味わえます。(笑)

ただし、失業保険をもらう条件には「失業状態で働く意志と能力があり、積極的に就職活動しているが職に就けない」状態であるため、働く気がないのに受給し続けるのは不正受給になる可能性があるので、注意しましょう。

失業保険を満額もらう場合のデメリット

失業保険を満額もらうことによるデメリットもあります。
金額だけでなく、デメリットについても認識しておきましょう。

①認定日ごとに最低1〜2回の求職活動実績と来所が必要

失業保険をもらうには、約4週間ごとにハローワークに来所し、失業の認定を受ける必要があります。

認定日と言われる日に、前回の認定日から今回の認定日の前日までに2回ほどの求職活動をしたことを記載する『失業認定申告書』を提出して、ハローワークに失業の状態を認定してもらうことにより、失業保険が受給できます。(受給日数は1回28日分ですが、祝日などが入った場合はズレます)

『失業認定申告書』に書く内容としては、失業期間中にどんな媒体でどんな求人に応募したのか、また、短期の仕事をした場合はどんな仕事をしたのか等を記載してハローワークに提出します。

特に問題ないと認められれば、失業保険をもらうことができます。

②離職期間が長くなるため、再就職に不利

失業保険を満額もらうということは、その期間中に再就職をしないということになり、就職活動するには不利です。

例えば、自己都合退職で辞めた場合は一般の離職者となり、すぐに受給できるわけではなく、2ヶ月間の給付制限期間があります。

さらに7日間の待機期間と、退職した会社から離職票が届くまで2〜4週間くらいかかるため、給付日数90日の方の場合は約6ヶ月間ほど空白期間ができます。

失業保険を受給し終わった後に求人に応募すると、応募した会社からこの空白の期間何をしていたのか問われる可能性が高いです。

納得のいく説明ができれば問題ありませんが、一般的に離職期間が長ければ長いほど不利になるのは間違いないので、注意が必要です。

③離職期間中は、国民年金や国民健康保険料などの支払いが必要

給料から自動で天引きされていた会社員時代とは違い、無職になると国民年金や国民健康保険などの支払いが必要です。

さらに、住民税を特別徴収されていた場合は、退職後は役所より住民税の請求書も送られてきます。

失業保険がもらえるとはいえ、そこからこれらの支払いをしないといけないので経済的に余裕はないでしょう。

また、自己都合退職だと2ヶ月以上の無収入期間ができてしまうため、より負担も大きいものになります。

そのため、ある程度の貯蓄がないと厳しいと思われます。

再就職手当をもらう方が良い人は?

失業保険ではく、早期に再就職をして再就職手当をもらう方が得な場合もあります。
それは下記のようなパターンです。

①1日でも早く再就職してお金を稼ぎたい

とにかく1日でも早く仕事に就きたい方、1円でも多く稼ぎたい方は、早く再就職をした方がお得です。

確かに金額の面では失業保険を満額もらうより再就職手当をもらった方が少なくなります。

ただし、早く再就職することにより再就職手当だけでなく、次の会社での給料ももらうことができるので、結果多くの金額を稼ぐことができます。

会社での給料はそのままに、再就職手当をボーナスと考えることもできるので、そう考えると金銭面ではおすすめです。

②キャリアが途切れず、再就職に有利

すぐに再就職をすればキャリアは途切れません。

例えば失業保険を満額もらった場合、約6ヶ月間の空白期間ができますが、すぐに再就職をすればわずかな空白期間で済み、おまけに再就職手当ももらえます。

就職活動するにも空白期間が短いため、有利に進められます。

そのため、キャリアが途切れずバリバリ働いてたくさんお金を稼ぎたい方は、再就職手当をもらって再就職すると良いでしょう。

ただし、ハローワークに求職の申込みをして始めの7日間と、自己都合で辞めた「一般の離職者」の場合は、1ヶ月間はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職に限るので、早すぎる再就職も注意が必要です。

早期に再就職手当をもらう場合のデメリット

早期に再就職をして再就職をもらう場合のデメリットももちろんあります。
そのデメリットについても解説します。

①失業保険を満額もらうより、もらえる金額が少ない

再就職手当の受給金額は、給付日数の70%または60%のため、失業保険を満額もらう場合に比べて当然ながら少なくなります。

基本手当日額6,000円で給付日数90日であれば、約16万円もの差が出てきます。

この金額を多いと思うか少ないと思うかは人それぞれですが、例えば時給1,000円のアルバイトなら160時間相当となり、フルタイム勤務分に匹敵します。

そして、失業保険は非課税なのでその分も考えると、金額だけで見ればさらに差は大きいでしょう。

早く再就職することにより、結果多く稼いだりキャリアが途切れないなどのメリットはありますが、もらえる金額はこれだけ差がでます。

②プライベートの時間がほとんど取れない

早期に再就職をするということは、それだけ就職活動に専念をしているということであり、ゆっくりできるプライベートな時間はほとんどないと思った方がよいでしょう。

中には内定後、就業開始まで多少の時間をくれる会社もあるとは思いますが、基本的にはすぐに仕事に就いてもらいたいと考える会社が多いと思われます。

そのため、離職したから少しゆっくりしようとか、旅行に行こう、といった行動はなかなか難しいのではないでしょうか。

そういう時間が不要な方には問題ありませんが、少し息抜きをしたい方にはおすすめできません。

③ブラック企業や短期の仕事に就いた場合は要注意

せっかく再就職しても、すぐに退職することになってしまったら意味がありません。(例えば就職先がブラック企業だった場合など)

再就職してもすぐに支給されるわけではなく、在籍確認などで約1〜2ヶ月間は待つ必要があります。

その間に退職した場合は、もちろんもらえません。

また、再就職手当の支給条件で1年を超えて勤務することが見込まれることが必要なので、契約期間1年に満たない契約社員(または派遣社員)は就職したことにならない可能性が高いです。

本人は再就職のつもりで申請したとしても、実際は支給条件を満たしていないので支給されません。

まとめ:どちらが得かは人それぞれ 自分にあった方法を選択しよう

本記事では、失業保険と再就職の概要、メリットデメリットについて解説しました。

よく「再就職して再就職手当をもらった方が結果的に得」という記事を多く目にしますが、人それぞれ目的や事情も異なるため、そうとは言い切れません。

キャリアは多少途切れても良いので、プライベートの時間を優先したいのなら、最低限の求職活動をしながら失業保険をもらうのが良いでしょうし、すぐに再就職をしてバリバリ働きたい、お金を稼ぎたい、という方は再就職手当をもらって早期に再就職をするのがおすすめです。

ただし、失業保険にしても再就職にしても、まずはハローワークに求職の申込みをしなければ始まらないので、退職をしたら離職票を持って手続きすることを忘れずにしましょう。

それでは。

今回のまとめ

・失業保険は失業の状態にあるなど、一定の条件を満たした場合に受給できる公的保険制度

・再就職手当は、失業保険の受給資格を満たした方が早期に再就職をした場合にもらえる、就職お祝い金

・離職前に開業届を提出済みでも条件を満たせば、失業保険も再就職手当も受給できる

・失業保険と再就職手当をもらった場合、約16万円の差(基本手当日額6,000円で給付日数90日の場合)

・1円でも多く受給したい方や、プライベートの時間も欲しい方は失業保険を満額もらう方がよい

・失業保険を満額もらうと、認定日ごとに活動報告が必要。また、空白期間が伸びたり、国民健康保険や国民年金の支払いも必要

・キャリアが途切れず1日でも早く再就職してお金を稼ぎたい方は再就職手当をもらった方が良い

・再就職手当は失業保険を満額もらうより金額が少なくなり、早期に再就職するとプライベートの時間も取りづらくなる。ブラック企業への就職や1年に満たない仕事に就いた場合はもらえない