こんにちは、マッピーです。
「月の途中で新しい会社に入社する予定だけど、デメリットはないのか知りたい」
「月初や月末に入社や退職をすると、社会保険料の計算はどのようになるのか?」
転職や再就職を考えている方は、このような悩みや不安が多くあるのではないでしょうか?
特に社会保険料の計算はよくわからず、月の途中で入社したことによって余計な保険料が発生したら負担も大きく、このご時世家計も大変ですよね。
そこで本記事では、月途中に入社や退社するメリットとデメリット、その注意点などについて詳しく解説しています。
この記事を読むことで、いつ退職をして、いつ入社すれば自分にとって一番ベストなのかわかります。
過去に複数回の転職経験とFP1級を取得している筆者が実体験を元に解説しているので、入社日や退社日で悩んでいる方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
目次
月途中で入社・退職した場合の違いは?
結論からいうと、月の途中で入社した場合は入社月から1ヶ月分の社会保険料がかかり、月の途中で退職した場合は退職月の社会保険料はかかりません。
何故なら、社会保険料には日割り計算という概念がないためです。
※雇用保険料は月途中に退職してもかかります。
【例1】3/10入社 ⇨ 3月分(1ヶ月分)の社会保険料が発生
【例2】3/15退職 ⇨ 3月分の社会保険料は一切発生しない
そうなると、月初に入社して月の途中に退職にすれば一番お得に思えますが、一概にそうとは言い切れません。
何故なら、入社日や退職日を変えると保険料だけではなく、それ以外にも様々なメリットやデメリットがあるからです。
その主な特徴は下記の通りです。
◎ 月途中に入社するメリット
- 1日も早く新しい会社に入社できる
- 入社月は前職での社会保険料や国民年金・保険の支払いはなくなる
- 社会保険料は会社と折半のため、月途中での入社でも負担は少ない
- 入社月ではなく、次月から社会保険をかけてくれる会社もある
- 履歴書や職務経歴書に入社月をそのまま記載できる
(例:8/1、8/31どちらも同じ8月入社)
× 月途中に入社するデメリット
- 月末に近い入社日でも、丸々1ヶ月分の社会保険料を支払う(会社と折半とはいえ、給与が高い場合は負担も大きい)
- 賞与がある場合、入社月は査定期間としてカウントしてくれない会社もある
- 年次有休休暇を付与する最初のタイミングを次月からカウントする会社も存在する(実際はNGです)(例:10/20入社 ⇨ 11/1から1ヶ月目とカウントし、5/1から有休を付与)
◎ 月途中に退職をするメリット
- 退職月は社会保険料を支払わなくて済む
- 社会保険料が引かれない分、手取り額が増える
- 履歴書に退職月をそのまま記載できる
(例:6/1、6/30どちらも同じ6月退職) - 年次有休休暇を付与する最初のタイミングを入社月を1ヶ月目としてカウントしてくれる会社もある
(例:7/10入社 ⇨ 7月を1ヶ月とカウントし、1/1から有休を付与)
× 月途中に退職をするデメリット
- 退職月は国民年金と国民健康保険料(または任意継続)の支払いが必要
- 月末締めの会社の場合、退職後に送られてくる書類の到着が遅くなる可能性がある
(例:離職票・雇用保険被保険者証・源泉徴収票など)
入社日は月初がお得。社会保険料は日割りではないため
月途中の入社と退職のメリットとデメリットがわかったところで、では、入社日はいつがお得なのでしょうか?
実は社会保険料だけで見た場合、入社日については月初が一番お得です。
社会保険は月の途中で加入しても日割りで計算はされず、入社した月から保険料が発生するためです。
例えば4月に新しい会社に入社した場合、4月1日、4月15日、4月30日どこで加入したとしても1ヶ月分の保険料はかかってしまいます。
何日に入社しても社会保険料が変わらないのであれば、月末より月初に入社した方が無駄がなくて済みますね。
もし月末に社会保険に加入をすると、1日しか働いていなくても1ヶ月分の社会保険料を丸々支払うことになります。
特に健康保険は実際は1日しか加入していない(1日しか利用できない)にも関わらず、1ヶ月分かかるので損した気分になるかもしれません。
筆者のマッピーは、昔この事を知らなくて月末入社にしてしまい、1日しか出勤していないにも関わらず、1ヶ月分の社会保険料の負担が発生してしまいました。^^;
月初入社でも調整してくれたので、素直にそうすればよかったなと。
ただし、会社によっては社会保険の加入は入社日からではなく、入社から2〜3ヶ月後になる場合があります。(中小企業で多い)
このようにしている理由としては、入社後にすぐに辞める人がいるためです。
社会保険は加入月に限っては、たとえ数日や1週間であっても1ヶ月分の社会保険料が発生し、半分は会社負担となります。
社会保険に加入後、万が一数日間などの短期間で従業員が退職した場合、支払う給与より社会保険料の方が大きくなり、給与天引きができない可能性があります。
そうなると、別途不足分を退職者に振り込んでもらうなど、会社にとって手間がかかることや、金額的に会社が損をすることを避けたいためと考えられます。
- 社会保険料は日割り計算しないため、月末入社でも1ヶ月分の社会保険料が発生する。
- 月初入社でも、社会保険の加入は2〜3ヶ月後になる場合がある。(中小企業などはこの傾向が割と多い)
退職日は月末の前日(月途中)が保険料的にはお得だが…
入社日は月初が良いことがわかったところで、退職日はどうでしょうか?
こちらも社会保険料だけで考えれば、月末の前日に退職をすると退職月の社会保険料を支払わなくて済むので、1ヶ月分の保険料が丸々浮きます。
例えば3月で退職を考えているのであれば、3/31ではなく3/30付で退職をすれば、3/30まで健康保険証は使えますが、3月の社会保険料はかかりません。
もちろん月末の前日に限らず、月の途中に退職するのであれば退職月は社会保険料は一切かからないため、3/15でも3/20でも同様です。
◎ 月末の前日に退職するメリット
- 退職月の社会保険料はかからず、ほぼ1ヶ月間健康保険が使える
- 社会保険料が控除されないため、手取り額が増える
- 次月から就職が決まっている場合、本来は残り1日分でも国保(または任意継続)に切り替え手続きして1ヶ月分の保険料の支払いが必要だが、手続きしなければその1ヶ月分の保険料が丸々浮く(実際はNGなので、やるなら自己責任でお願いします)
× 月末の前日に退職するデメリット
- 残り1日でも1ヶ月分の国民健康保険料(または任意継続)と国民年金の支払いが必要
- 退職月に転職をする場合は、転職先で社会保険料の支払いが必要で、さらに転職先まで1日でも空白期間がある場合は、国民健康保険(または任意継続)の切り替えも必要
月途中に退職をすると社会保険料がかからない理由
では、何故月の途中に退職をすると社会保険料がかからないのか?
それは、被保険者の資格喪失日に理由があります。
資格喪失日は退職日の翌日になるため、月末に退職すると翌月の1日に、月末の前日に退職すると月末が喪失日になります。
そして、社会保険料の支払いが必要なのは、喪失する日の前月分までです。(給与から控除されます)
【例1】:3月31日に退職 ⇨ 4月1日に被保険者の資格を喪失するため、前月である3月分までの社会保険料が発生
【例2】:3月30日に退職 ⇨ 3月31日に被保険者の資格を喪失するため、前月である2月分までの社会保険料が発生
つまり、月末に退職をすると1ヶ月分の社会保険料を負担しなければなりませんが、月途中に退職することにより、1ヶ月分の社会保険料の支払いをしなくてもよくなります。
月途中に退職する場合の注意点
退職日を月末の前日にするなど、月途中に退職をすれば社会保険料の節約はできますが、注意点もあります。
ここではその注意点について解説します。
①将来もらえる年金に影響する
月末以外の退職であれば1ヶ月分の社会保険料の負担は無くなるのでお得に感じられますが、そうとも言い切れません。
何故なら、1ヶ月分の社会保険料を支払わない分、将来もらえる年金額も減るからです。
また、社会保険料は会社と折半のため、実際の個人負担は半分になっており、将来の年金のことを考えると月末退社の方が良いと言えます。
②役所で国民年金と国民健康保険の切り替え手続きが必要
月の途中に退職をすると1ヶ月分の社会保険料の負担はなくなりますが、役所に行って国民年金と国民健康保険に切り替え手続きをする必要があります。(健康保険については任意継続を利用する方法もあり)
そして、これらの保険料を支払わなければなりません。
国民年金と国民健康保険は、被保険者の資格を喪失した月から発生するので、月末の前日に退職したのであれば、たとえあと1日でその月が終わる場合でもあっても加入して1ヶ月分を支払う必要があります。
既に翌月に新しい会社への就職が決まっている場合、その1日だけのために国民年金と国民健康保険への切り替え手続きをして保険料を納めます。
ちなみに、国民健康保険については、ルールとはなっているもののご自身で加入手続きをしなかった場合、保険料を納める必要はありませんし、請求も来ません。
退職後に国民健康保険に加入せず、再就職後の会社で社会保険に加入した場合、未加入であった期間の国民健康保険料が請求されることはありません。
ただし、退職後に再就職を考えていない場合は注意が必要です。
何故なら、後日、国民健康保険の加入手続きをすると、保険料は退職月まで遡って請求されるからです。
また、国民年金についてはそのまま放置しておくと、後日未納のお知らせが届く可能性があり、支払わないと将来もらえる年金の額に影響が出ます。
月の途中の退職は、このようなデメリットもあることを頭に入れておきましょう。
まとめ:入社日は月初がおすすめ!退職日についてはそれぞれの事情による
以上、今回は、月途中に入社や退職をするメリットとデメリット、その注意点などについて解説しました。
最後に今回の重要ポイントを整理すると、
- 入社日については月初が保険料的にお得
- 月途中の退職なら退職月は社会保険料がかからない
- 月途中の退職は将来もらえる年金額が減り、別途、国民年金や国民健康保険料の支払いが必要
本記事で解説したメリットやデメリットを参考に、ご自身にあった日にちで入社日退職日を検討してみてはいかがでしょうか?
ちなみに以下の記事では、春に残業を減らせば社会保険料を削減できる方法についても解説しているので、こちらの記事も併せてご覧ください。
・社会保険料は、月の途中に入社しても1ヶ月分かかるが、月の途中に退職したらその月はかからない
・社会保険料は日割り計算ではないため、月初に入社した方がお得
・会社によっては、社会保険の加入は入社から2〜3ヶ月に設定している場合もある
・月途中(月末の前日など)に退職すると退職月は社会保険料がかからないが、将来もらえる年金額に影響したり、国民年金や国民健康保険(または任意継続)の切り替え手続きと保険料納付が必要
・月途中の退職だと退職月は社会保険料はかからない。その理由は被保険者の資格喪失日にあり、社会保険料の支払いが必要なのは喪失する日の前月分までのため